『下の歯が生えてきたけど大きい感じがする』と電話で質問されました。
癒合歯(ゆごうし)だろうから心配はないので今度会う時に見せてと答えました。
2本の隣同士の歯がくっついた状態で生えてくることがあり癒合歯といいます。
癒合歯どうしたらいいの?
乳歯の時代は特に何もせず様子をみれば大丈夫です。
乳歯が生えそろう月齢になっても20本ではなく1本足りない状態になります。
2本の歯の付き方によっては汚れやすいことがあります。
癒合歯を観察してみましょう。
大きな1つの歯の様な形ですか? → ほかの歯と同じように歯みがきをします。
2本の歯の形で溝や つなぎ目がありますか? → 溝や つなぎ目が汚れやすく汚れが取れにくいので他の歯より時間をかけて丁寧に磨きましょう。
癒合歯は 両親のせいではありません。
骨の中にできる歯のたまご(歯胚)の接触する部位と時期によって生じると考えられています。
偶然にできてしまうのです。お母さんのせいで癒合歯ができたわけではありません。
大人の歯は どうなるの?
多くの癒合歯は大人の歯に生え変わります。
他の乳歯が抜けても残っている時は抜歯をすることもあります。(これは癒合歯だけに起こるのではなく正常に生えてきた乳歯が抜けず大人の歯が生えて乳歯を抜歯することもあります。)
大人の歯が1本足りない場合もあります。(これも癒合歯だけに起こるわけではありません。)
【補足】少し専門的な説明
歯と歯がくっついているので【癒合歯】とよばれますが、歯科的には くっついている状態で癒合歯と癒着歯と双生歯に分けられます。
癒合歯
エナメル質、象牙質、セメント質の連続性、歯髄の連続性があるもの。
発育過程にある近接する歯胚同士が接触して癒合した結果、エナメル質および象牙質が結合した状態で完成した歯
癒着歯
萌出後の歯がセメント質のみで結合しているもの。
双生歯
一つの歯胚が二つに分離して成長発育したもの。
過去(1932年~)のデータと比較2011年調査の乳歯の癒合歯の発現頻度では3.37%の報告があり増加傾向にあるようです。 参考文献 小児歯科学雑誌
歯科の治療について
ここでは歯の疑問や大切さについて書いていきますが 歯科での治療は個々の患者さんの状態によって
行われるもので同じ人であっても その時々の状態で変わります。
また歯科治療の進歩によっても刻々と変わっていきます。
このブログではデンタルIQを上げることや お口の状態を日々のセルフケアで改善することを目指し
ています。歯科での説明を理解でき治療の選択に迷わない手助けになれば嬉しいです。