歯ブラシで丁寧に歯をみがいたとしても60~70%の汚れしか取れないと言われています。
残りの30%~40%の汚れは歯と歯の間や歯周ポケット、舌にもあります。
歯と歯の間の掃除は どうやってするの?
糸ようじと言われるとピンとくる方がいるかと思いますが糸ようじ(デンタルフロス)を使います。
糸ようじとデンタルフロスは同じものです。
フロスは1日何回使うの?フロスはいつ使うの?
「1日1回 寝る前に使う」を お勧めします。
寝ている間は お口の中のむし歯菌や歯周病菌が増えやすいので寝る前が良いですが歯みがきと同じで 寝るまでに もう食べたり飲んだりしななければ使います。(お水や お茶等は含みません)
歯に何か詰まった時は その都度 使います。
歯ブラシとフロスどっちが先?
フロスが先です。
フロスが先の方が歯間プラークを減少させフロッシングとそれに続くブラッシングの方がブラッシングと それに続くフロッシングよりも好ましいというと実験結果が米国歯周病学ジャーナルで発表されています。
フロスはどう使うの?
フロスを歯と歯の間に当てます。
ノコギリを動かす様に糸をゆっくりスライドさせるように歯の根元に向かって動かします。
この時に勢いよく入れると歯肉を傷 つけるので注意しましょう。
歯肉の下に入ったらフロスを歯に引っ掛けるようにして上に引き上げます。
もう一度同じ場所に入れて隣の歯に沿わせて引き上げます。
デンタルフロスの種類
デンタルフロスの形
①ホルダーに糸がついているタイプ
ホルダータイプ
Y字タイプ F字タイプ
②糸巻きになっているロールタイプ
デンタルフロスを初めて使う方には使いやすいホルダータイプ。
Y字は奥歯に入れやすくF字は前歯に
入れやすい形をしています。
洗って何度か使えます。両方を用意して使ってもいいのですが歯ブラシとデンタルフロスを使うハードルを越えたばかりでしたら どちらかを選んでフロスを始めてみましょう。
お家の お掃除と一緒で それぞれの場所にあった掃除道具を揃えれば便利ですが道具を置く場所も必要だったり使いこなせなかったりします。生活スタイルに合わせて用意しましょう。
奥歯にフロスを入れる方が難しいので初心者にはY字を お勧めします。
稀にフロスが抜けなくなったと聞きますが無理に引っ張らずダメなら糸の部分を切りましょう。
②ロールタイプ
指に糸を巻き付け口の中に入れて使います。慣れて使いこなせるまで練習が必要かもしれませんが コンパクトで経済的、使い捨てなので衛生的とも言えます。
歯並びが悪い場合も角度を調整しやすく小回りが利きます。
被せものや詰め物でひっかかりやすい場合でも片側を引っ張って横に抜くことができます。
デンタルフロス素材
①ナイロン 汚れを落とす効果は高い(摩擦力が高い)丈夫だが硬い(敏感な人は痛みを感じる)
②ポリエステル 汚れを落とす効果はナイロンより落ちる(摩擦力が弱い)ナイロンに比べると柔らかな質感 細く束上になった糸が歯間でふんわりと広がることで歯間の汚れを絡めとります。デメリットは糸が切れやすいことです。
③ポリエチレン 糸が細いのに強度があり糸が切れにくく細いので歯間が狭くきつい方詰め物・銀歯で糸が入りにくい方も使用できます。
ワックス
フロスのケースを見るとワックスと書いてある物を見たことがあるかもしれません。
①ワックスあり
滑りやすくスムーズに歯間に入り通しにくいワックスあり狭い歯間には適しています。
②ワックスなし
ワックスありより汚れを絡め取る効果が高いのが特徴です。
それぞれの特徴を知り購入しましょう。
このほかにも唾液で膨らむエクスバンドタイプ 幅の広く平らな断面フラットタイプ ソフトタイプ 香料付きタイプ等があります。
番外編
便利なフロス
スーパーフロスや3 in 1フロスと呼ばれているフロス
50本や100本の箱入りフロスで1本の片側が硬く中ほどにスポンジ状の部分があります。歯の脇から先端の硬い部分を刺すように通しスポンジで歯と歯の間を擦るように掃除します。
ブリッジと呼ばれる1本抜いた歯の両隣の歯を被せて3本以上繋がった歯 2本つながった被せものの治療をした人は歯と歯の間がトンネル状になっているために歯ブラシやフロスでは掃除できません。
このタイプのフロスか歯間ブラシを必ず使いましょう。
歯がきれいになると歯の表面を舌で触るとツルツルします。毎日歯のザラザラを落としてから寝る習慣を身にをつけましょう。
歯を失ってから どんなに お金や時間をかけて世界一の治療を受けたとしても生まれ持った健康な歯とは比べ物になりません。
今からでも遅くはありません。一緒に お口の健康について学びデンタルIQを上げていきましょう。
映画『プリティー・ウーマン』でジュリア・ロバーツがフロスをするシーンがあります。このシーンでは「ビビアンは娼婦だけれど、実はきちんと教育を受けた子」と分かります。
歯科の治療について
ここでは歯の疑問や大切さについて書いていきますが 歯科での治療は個々の患者さんの状態によって
行われるもので同じ方であっても その時々の状態で変わります。
また歯科治療の進歩によっても刻々と変わっていきます。